じゃない方の筆頭”小田急線千歳船橋駅”。本家の筆頭”JR船橋駅”。2つの船橋が存在する。
20代の前半まで千葉県船橋市に在住していたので、地元について何か調べものをしているときにときたま引っかかる”東京都世田谷区船橋”という地名が気になっていた。
とまるで生き別れの兄弟のように感じていたのだが実際に訪れてみるとなんてことはない、そう広くはない地域の一角をそう呼んでいるだけなのであった。
偉大なる兄かと思いきや、残念なタイプのお兄ちゃんであったものの、それでも千歳船橋駅周辺には学校機関がいくつもあったり、日本でも有数の規模を誇るユニクロがあったりと、町としては十二分に栄えていることがわかる。
だって世田谷区だもの。
ちなみに「千歳船橋」の「船橋」は辺りのぬかるみが凄まじく、通過する際に船を並べて橋渡しをしたことが由来となっている。多摩川を渡すのに船を利用したことが元とも言われている。「千歳」の部分は「千歳村」から取っている。その「千歳」は単に縁起が良いことから名付けたらしい。
千葉県の「船橋」は海沿いということから船を橋のように並べて交通の便を図ったことが由来とされている。
どちらも似たようなものだね!
そんな千歳船橋から千葉県の船橋まで歩けるのかどうかを試してみたくなり実際にやってみた。
発端は足利乗り換えだ。
3年半程前に実施した神奈川の足柄から静岡の足柄までの5時間をかけた徒歩乗り換えをした後に色々と調べていたら、その先人が別の徒歩乗り換え企画を行っていたようで、その企画こそが船橋乗り換えであった。
あの気になっていたもうひとつの船橋から私の良く知る船橋への移動は元々気になっていたけれど、
まさか歩けてしまうのか????
という好奇心が湧いて出てきた。
当然のように歩き慣れされている先人は無事に船橋乗り換えを成功されていた。
私にもできるのか???
という素朴な疑問が湧いて出てきたので実際に試してみることにした。
いつにしようか機会をうかがっていたのだが、先日の土曜日の夜が丁度空いていて、ちょっと運動不足気味だという悩みを抱えていた。今だ!ということで踏ん切りがついた。
さらに中途半端に明るい時間に実施でもしようものならあまりの怠さに途中でリタイアしてしまう恐れもあったので、電車の走っていない深夜に実施することにした。
単に夜通し歩くというのにも憧れていた節がある。
これから体の良い深夜徘徊を行う。9時間近くの長丁場になりそうだ
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
自宅を出て電車に乗っている際のツイート。長時間になることは覚悟しているし、はっきり深夜徘徊ということを語っている。
目的意識はあれど傍から見たら多かれ少なかれ深夜徘徊のようなものだよね。
いわゆる都区内を横断する的なやつだ。単身だし初の試みなので心細くはある。恐らくこれが最初で最後になるはず
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
世田谷区の西のはずれから千葉県北西部までの移動になるので、実質区部を横断する大移動ということになる。
目的地に着いたのでこれから深夜徘徊を始める
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
小田急線千歳船橋駅に到着したのが夜の0時。ここから長い冒険が始まる。
終電間際 pic.twitter.com/9cGpNvLcyV
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
千歳船橋から下北沢まで大体1時間かからないくらい。画像付きツイートは位置を特定されないために少し時間をずらして投稿している。
1時間で大体5キロちょっと進めるので千歳船橋から下北沢までの4,5キロ程の道程を進むには程良い時間経過だ。
この辺りから終電の時間を迎え始める。少しだけ「やっぱり今日はやめておこうかな」という気持ちが芽生えたけれどぐっとこらえて歩き続ける。
深夜とは思えない pic.twitter.com/9jvn0JiWRI
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
この辺りは原宿駅。最近駅舎が新しくなり、より一層原宿味が増した。
竹下通りはガラガラだったけれど、掃除機の音なんかも聞こえて来て店じまいをしている雰囲気が伝わって来た。終電を逃してまで働いている人たちは住み込みか自転車通勤なのかな。ともかくお疲れ様です。
決して褒められたものではないけれど絵にはなる絵 pic.twitter.com/AULQVJqGCh
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 27, 2020
確か原宿~青山のどこかで見かけた絵。シャッターの落書きだけれどフェンスと相まって意外と絵になっている。ツイートの通り決して褒められたものではないけれど。
治安の良さに感謝しかない
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
皇居~東京駅周辺でのツイート。夜中なのに変なやつは歩いていない。若者の小集団やカップルなんかはいたけれど、危なっかしい感じは一切なかった。流石は東京のガチの都心だ。
イルミネーションの音がする pic.twitter.com/YjCv4lmBnO
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
これも東京駅周辺の光景。大手町と言った方が正しいかな。早速クリスマス向けのイルミネーションを装飾されていた。こういった方々の見えないところでの頑張りで東京は今日も彩られている。
ちなみに赤坂の御所の脇を通り抜けたところ、警備員さんたちが等間隔で見張りをされていた。暗いところにひょっこりいらっしゃるので最初見たときは心の底から驚いた。
赤坂の辺りから本を読んだり漢字の単語帳をめくったりしながら歩いていたので、歩くスピードが緩みだす。1時間5キロちょっとのぺ-スが1時間5キロぴったりのペースまで落ち込む。特に急いでいたわけではないので気にしない。
パターンに入ったので後は何回か曲がるだけで目的地に着く。但しこれまで歩いたのと同じくらいまた歩く。あと4時間ちょっとだ
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
本を読みながらということもあったので、基本歩くことへの関心は薄れていたけれど、流石に歩き始めて4時間、つまり丁度半分が経過しようとしている時にはちょっと嬉しくなった。
これは大体錦糸町の辺りだったかな。これをもう一度繰り返せば目的地にたどり着くという高揚感に襲われた。ちなみに東京駅を過ぎた辺りから千葉県まではほとんど一本道ということもあったので冒険の難易度はかなり低いものと化していた。
黙々と行進をしているけれど特に面白い画像はない。1時間前くらいから新聞配達のおじちゃんおばちゃんを見かけるようになり、先ほどからはお散歩しているおじいちゃんおばあちゃんを見かけるようになった
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
本や単語帳にも飽き始めて考え事をしながら黙々と歩くタイムに突入した頃にはなんとな~~~~~~く空が明るくなり出して、新聞配達のおじいちゃんおばあちゃんが自転車を漕ぎ出すようになった。青年のバイク姿は良く見かけるけれど、ご高齢の方が自転車で周るパターンもあるのね。
はっきりと明るいと呼べる時間になり、気が付けば千葉県に突入していた。歩き始めて5時間半が経過しようとしている
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
千葉県に突入する頃には完全に空が明るくなり、まるで夜の何歩か手前のような青々とした光景が広がり出す。そしてカラスたちがそこらかしこをめちゃくちゃに飛んだり跳ねたりしていた。
小岩から市川経由で千葉県に入ると千葉県感がめちゃくちゃ出るけれど、浦安辺りを経由するといつの間にか千葉県に突入しているなんていうことが良くある。江戸川の広い所で分断されているところが県境になっていると移動した感覚がわかりやすいけれど、浦安や行徳の辺りを超えるとなると小さい橋をいくつか渡ることになるので千葉県に入ったと言う実感が湧きにくい。
狭い川 pic.twitter.com/Fgp4Hz6Q7G
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
ここは浦安と市川の中間辺り。確かギリ浦安だったと思う。川の狭さがツボに入ったので思わず撮ってみた。散歩しているおじいちゃんおばあちゃんが現れ始めたのもちょうどこのくらい。
7時間35分の夜のピクニックが終わった pic.twitter.com/ZoQkQRUVYT
— 鷓鷺 (@syarokusuke) September 26, 2020
7時半過ぎにJR船橋駅に到着した。基本的に元気のまま終わったけれど、なぜか右足の親指だけ吊りそうになっていた。
そういうわけで、
7時間半あれば船橋乗り換えはできる
という結論に至った。
距離で言うと38キロあるそうなので、これは山手線一周よりも少しだけ長いことになる。山手線を一周するのに休憩込みで9時間はかかったはずなので、今回は休憩なしでこれだけ歩くことができたのだから上出来だと言える。
出発前に炭水化物をたらふく摂取したので、道中は缶のトマトジュース1本とポカリスエットのペットボトル1本のみで乗り切ることができた。
ちなみに帰宅後は1時間だけ仮眠を取ってすぐにフットサルに出かけたけれどバリバリで動くことができた。むしろ普段より少し調子が良く、その頃には足の親指も気にならなくなっていた。
船橋乗り換えの実績を解除した!
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