思い立ったが吉日ということで、前日の思い付きで納豆の町へ行ってきた。性懲りもなく自転車で。
東京からの100キロ旅は昨年のちょうど今頃の達磨の町旅以来だ。
また自転車での20キロを超える長旅は昨年10月の南町田グランベリーパーク、今年に入ってからの船橋近辺への繰り出し以来となっている。(船橋方面へのぶらり旅は特に記事にはしていなかった)
さて、私の自転車での長旅は
- 全て自転車で移動する
- 公共交通機関は利用しない
- 日帰りで往復する
を原則としている。自転車と共に移動し、輪行をせず、また宿泊もナシということを最低限のルールに据えている。
自転車を置いて休憩時間にその辺をぷらつくのはもちろんOK。但し自転車を置いて電車やバスで先に進むのはナシ。また一泊して体力を回復した上で再チャレンジするというのもダメ。止むを得ずいずれかの手段に逃げた場合は長旅としてはノーカウントとなる。
ちなみに同じ県内にある牛久大仏には直近で5年前の6月に訪れている。
これから書こうとしている内容と、5年前に書いている内容に大差がないことについて衝撃を受けてしまったが、そんなことはあまり気にせずに書き記していく。
ちなみに昨日の折り返しの地点で休憩がてらnoteにまとめた記事も貼り付けておく。
結論から言うと
6時:新宿出発
15時:納豆の町到着
16時:納豆の町出発
25時:新宿帰還
という都合19時間の旅となった。正確な移動距離は伏せるが、往復で250キロちょっとを移動した。
6時台
始まりの場所。ここから200キロ強の旅に出た pic.twitter.com/n81UvYfeuu
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
新宿付近の松屋にて牛ビビン丼と豚汁を食す。長い旅になるので腹ごしらえはとても大切だ。エネルギー量が高そうでかつ栄養になりそうなものをチョイスした。
7時台
1時間半でここまで来た。後はこっちのもの pic.twitter.com/hRt1bzq5Y4
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
今回は撮影とログ取り(Twitterへの出現)以外で携帯を取り出したくなかったので予め地図を頭に叩き込んだ上で旅路に繰り出した。とは言っても国道6号線に辿り着けば残りは道一本で行けるので6号線までの道程を最重要としていた。
Google先生のお導き通りだと行程が複雑で覚えきれないので、道の概要を仕込んだ上で挑んだところ、意外と携帯の地図抜きで辿りついた。
山手線の内側はまぁまぁわかるし、上野や鶯谷を抜けた後は適当に北東を目指せば自ずと6号線に行き着くのだから何も難しいことはない。
兄弟? スカイツリーは思いの外すぐ見えなくなる pic.twitter.com/Prgk70D2hz
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
きれいだったのでパシャり。この時はまだまだ元気。後者は茨城に入ってからの何か。
目的地の文字列が見えてきた。まだまだ序盤 pic.twitter.com/5zk5BxG6Ef
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
ここからでも100キロ以上あるらしい。既に100キロを切っているかと思ったが気のせいだった。
8時台
知らない方の故郷へ着く pic.twitter.com/6j2sZ3AlNN
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
同じ千葉県でもこちらの方は全然詳しくない。
写真には収めていないが千葉県内に入ってすぐ千葉大学の園芸学部を見つけた。YouTuberのどなたかの動画で車での入校の難易度が高い!的な発言を聞いたことがあったので妙に記憶に残っている。(探したけれど見つからなかった)
9時台
9時13分頃、柏入り。
9時15分頃、モンスターのボトル缶を購入。ちびちび飲みながら進んで中々良い感じ。余裕すら実感できる。
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
工事現場に土管があった。フェンスに囲われた立ち入ることはできなかったが、フェンス越しに見てもわかる私一人が立った状態で簡単に収まる程のサイズ感。技術が感じられた。ここはもうすぐで茨城と言った所。
昨日イチの絶景。開始数時間でクライマックスを拝んだ pic.twitter.com/HJSrjPwpO6
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
写真では伝わりにくい程の広大な土地にきれいな田んぼ地帯が広がっていた。めちゃくちゃ手入れがなされていた。こうして食卓が彩られるのだなと。この景色を拝めただけでもおなかいっぱいであるが旅はまだまだ序盤。
10時~11時台
茨城県に突入した。10代の頃にはじめて到達した時ほどの感慨深さは既になくなっているものの、遠くに来た感はまだまだ染みてくる pic.twitter.com/2hl1rWFQWE
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
上記の光景を目撃した後、すぐに利根川を渡り茨城県入りを果たす。
10代の頃からちょくちょく茨城県には侵入していたので、訪れる度にその感動は薄れて行く。
長い橋、対岸のモリモリの緑、ちょっとした坂。まるで異国に足を踏み入れてしまったかのような錯覚を覚える。冒険に打ってつけのシチュエーションなのだが、何度も来ていると感動は薄まっていくし、橋の長さもある程度わかっているので高揚感は徐々に失われて行く。それでも未だに茨城というのは東北に通じる未知の世界という印象も強いので、
冒険心はガンガンにくすぐられて行く。
茨城前半の詰め合わせ。取手市消防署の屋根付き行燈風の看板、カップヌードルの煙突、龍ヶ崎のイカすオブジェ、その隣の道の駅予定地 pic.twitter.com/wSy6KwiILy
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
あんまり小分けにしてツイート量を増やしてもBANをされる可能性があるのでドバっと出してみた。決して手抜きをしたかったわけではない。
取手市の行燈風の看板が中々におしゃれであった。
カップヌードル型のオブジェは全国4ヶ所の自社工場で採用されていて、そのひとつが滋賀工場であり新幹線から拝むこともできるらしい。ちなみに滋賀工場のオブジェは貯水槽になっているとのことだ。また滋賀工場はカップヌードルの初生産が行われた歴史的な場所でもある。
龍ヶ崎市は6号線的には取手市と牛久市に挟まれていてかつすぐに通り過ぎてしまうので存在感が薄く感じられそうだが、こんなイカすオブジェと道の駅(仮)があるので、一生忘れられない。というか廚二目線的にはそもそも名前がかっこ良い。道の駅(仮)は銭湯レベルで良いので体を洗える場所が併設されたらより一層素敵になるだろう。
またこの区間は牛久沼大橋をはじめとする歩行者や自転車乗りにとって通りやすいゾーンが存在しない道路を、端のさらに端を通じて運行しなければならなかったり、もしくは謎にアップダウンの激しい脇道を通過したり、場合によっては大きく遠回りをする必要があったりと、昼間でも何かと怖い道であった。
今回の肝はこの区間をいかにして明るい時間に通り抜けてしまうかということにあったと言っても過言ではない。この地帯は旅全体としては序盤~中盤に位置するので、折り返しのことを考慮すると明るい内にというのは土台無理な話ではあるのだが、ここばかりは何とか気を付けて通り抜けるしかない。
ちなみに一度バイパスと謳われていた道を通ってみたが普通に遠回りであった。ショック!
12時台
まともな食事を取った。ゆで太郎はやっぱりおいしい。生活圏内にないのでこういう機会を利用する他ない。
ちなみにソバは腹持ちもしなければ栄養を取れるわけでもないので体力勝負の旅ではあまり有り難くない存在だ。それでもついつい食べてしまいたくなる抗えない魅力がある。体は不満げでも心は大満足であった。
13時台~14時台
ついにここまで来た感と、まだまだ続くぞい感 pic.twitter.com/F3DZ5xzY6T
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
13時台にスマートウォッチが100キロ走破を告げてくれ、14時台には日本橋から100キロ地点(100キロ標)に到達した。しかし今回の目的地である納豆の町の本拠地(駅)はここからまだ7キロも先にある。往復14キロ≒1時間ェ・・・。だがまだもうちょっと元気。気合だー!
15時台
遂に着いた。
納豆好き pic.twitter.com/RV0pa5zayw
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
これofこれ。納豆好きにはたまらない?(私は大好物)
「1時間まで無料で停めて良いよ」と公営駐輪場の係員さんより告げられたので急いでご当地ぬいぐるみとマグネットを買い求めに行く。
ついでに書き忘れない内にnoteも書いておく。それがこの記事の冒頭で貼ってある記事だ。新鮮な内に書く感想も残しておきたいなと。
ちなみにご当地名物は特に食べていない。そもそも体が疲れているのでしっかり味わうことができない。食旅なら電車で来るべきだ。また来よう、電車で!
お土産も食関係のものは荷物を減らす意味でも特に購入しなかった。ストイックさこそが勝利への道となる。
16時~17時台
味のあるものたち。屋台販売所(すぐ脇に乙な店舗がある)、廃看板、補修されつつある築地塀風ブロック塀、わかりにくいけど植木鉢として転用されている大型車用タイヤ pic.twitter.com/0PodJzFZ3v
— 鷓鷺 (@syarokusuke) May 4, 2022
書いてある通り。
体力の底が見え始めていたし、前述の通りヤバめの道をいかに早く切り抜けるかが肝だったのでこれ以降写真は撮っていない。後半はご当地ものよりも直感で面白いと思ったものをパシャパシャしていた。
ちなみにこの17時台終盤で青看板に「柏」の文字が見え始め、遂に旅が終盤へ入ろうとしていることを物語ってくれていた。
とは言え「柏 50km」とか言うレベルなので旅はまだまだ続く。この辺りから残る体力への不安視が強まる。
18時台
ちょくちょくコンビニに立ち寄り食料と水分を確保する。一度おにぎりを買い求めようとするも全て売れ来ていて「何かイベントでもあったんか???」感がすごかった。結局、その瞬間しかおにぎりを食べたいと思う時がなかったので、残りは飲むゼリーなりパンなりスニッカーズなりで凌ぐ。スニッカーズは銀歯の大敵ということをうっかり忘れていたので、ちょっと罪の味がした。(銀歯は多分持って行かれていないはず)
ちなみに自転車のライトも突然切れたので慌てて電池を買い求める。(せっかく充電式の電池にしたのに電池を買うハメになるとはもったいない)
それでも都内に入ってから10回近く巡回中の警官とすれ違っているのでここで交換しておかなかったら恐らく詰んでいた。
19~20時台
ついに暗くなる。しかし10~11時台に通過している恐ろしい道はここから始まる。
アップダウンの激しい分、比較的安全な道を通るか、それとも車のバンバン走る車道の隅を通るか。悩んだ末、後者を選んだ。
体力をゴン削りするより、スマートな道を通った方が帰宅できる確率が上がるという判断で車道に出ることにした。ドライバーの皆さん、申し訳なかった。
基本は車道の一番左のさらに端っこをふらつかずにまっすぐ走り、合流車線に入ろうものなら一度ゼブラゾーンで停止し、合流車を全て見送ってからすかさず左端に移る。また出口車線に差し掛かろうものならその手前で静止して出口に向かう車がおらず、かつ交通量が少なくなった瞬間を見計らって一目散に本線へと舞い戻る。引かれたくないし、引かせたくないしで、とにかくめちゃくちゃ集中した。
ここでの集中が後々の疲れを引き起こすのだが、フラットな道を進めたおかげで肉体的な体力は終盤までしっかり温存することができ、帰路の安全に繋げることもできた。
また牛久沼大橋の分岐が良くわからず左に進んだ所、通った覚えのない道に突入してしまった。やたら山道っぽいし外灯はないしで、ゆっくり漕がないと段差も見極められないレベルであった。
おかしいと思いこの時点で電池残量が心もとない携帯で確認をしてみると、大きく道を逸らしている事実が判明した。仕方がないのでGoogle先生に聞いてみると、元の道に戻るルートを示してくれた。そのルートも中々の山道ではあったが、それしか頼るものがなくまた元の道に引き返すのも億劫なのでそのお導きに従ったところ、しっかり6号線に戻してくれた。もちろんその分岐の前に。
あんだけ進ませておいて、牛久沼大橋、渡らなあかんの!?!?
とつい叫んでしまったが、仕方なしに再び車道へと舞い戻る。牛久沼大橋にはガードレール付きの歩道など存在しない。
21~22時台
千葉県入り。何気なくルートを確認してみると6号線を直進せずに手賀沼を渡るルートが良いとGoogle先生が仰せなので、
そんなに難しい道じゃないっしょ!
という自己判断でそのお導きに従うことにした。
すると示されたのは結構な山道。あれ?ここ千葉県だよね?と思う程の暗く、歩道はなく、また車がびゅんびゅん通る心細くなるような道へとエスコートされる。
しかもこの時点で携帯の充電残量はほぼなし。「これはオワタ」とGoogle先生のお導きの概要を頭に叩き込み、勇気を持ってかつ慎重にゆっくりと進んだところ何とか6号線の途中へと舞い戻ることができた。
さらに驚くことにあれだけゆっくり進んだのにも関わらずタイムロスはなかった。つまり、Google先生の示されたルートは間違いなくショートカットだったということになる。結果、ゆっくり進んだ分プラマイゼロではあったが、「中々やるじゃん」と感心したのであった。これで電池残量の関係でここから携帯に頼ることはほぼできなくなった。
充電器は持参していたものの、鞄の出し入れを最小にしたかったので、充電をすることは諦めていた。この時点で集中力も最低ラインにまで落ちていて、左折して来ようとする車に全く気付かなかったり(相手が止まってくれていたので危険は一切なかったが、個人レベルでは普通にピンチだった)、転びかけたりなどと、往路ではありえないミスが連発していた。自転車移動は想像以上に頭を使うものであり、後述するが、頭の使い過ぎで昨晩は殆ど眠れなかった。
23時台
遂に東京入り。しかしほっとした時にやらかす性格なのでより一層気を引き締めることにする。
まずは山の手線の内側に入ることを第一に考える。先ほど確認したGoogle先生のお導きだと北千住の当たりを上手く抜けると最短を取れるらしいが、良く知らない道だし、物騒なエリアでもあるのでなるべく簡単でかつ既知のルートを多く進めるよう工夫することにした。とは言え頭がまともに働かないので「浅草」系の文字が見えて来るまでは我慢して突き進むという簡素な方針で動くことにした。
しばらく進むと「浅草橋」の表示が目に入るようになってきたが、そこまで行くとちょっとしたロスに繋がるし、何もそこまで大回りをせずとも良いではないかということで適当な所で右手の橋を渡ってみることにした。
橋を渡ると「浅草寺」の方面の案内板が目立つようになったので、迷わずそちらへと進む。浅草周辺の碁盤上の地理はわかりやすいので、大通りに出くわす度に左右を繰り返すだけで何とかなるという安心感は計り知れない安堵をもたらしてくれる。
ちなみに適当に走っていたら後ろにあるはずの「浅草寺」がこの先にあり、左に曲がると蔵前(スカイツリーのある押上駅と勘違いする)だよ的な表示が一度だけ見えたのでめちゃくちゃ不安になった。
どうやら私の矢印の解釈違いだったようだったし、「私の進む道で間違いない」という確信があったので迷わず進んだところ上野駅の周辺に出た。
集中を欠いた人間の判断にしては上出来であった。根拠のない確証バイアスに陥っていなくて良かった。
0時~1時台
ここからは山手線の内側ということもあり既知の道しかなかったので最短ではなかったかもしれないが安心して帰ることができた。それでも「絶対大丈夫」と思い切れる自信がなかったので
大丈夫・・・大丈夫・・・
と唱えるようにして帰宅した。
一度警官に自転車の防犯登録を確認されるものの(この時は偶然、大丈夫コールを口ずさんでいない)、口頭で証明したところすぐさま釈放された。
最後のひと踏ん張りをしっかりやり切る為にも0時過ぎに飯田橋駅前の松屋で牛ビビン丼と豚汁のセットを頼んだ。頑張りたい時はおいしくて力が付きそうなものを食べるに限る。初手と同じ行動を取っているではないか!
そんなわけで1時頃に新宿に辿り着き、そこから帰路に付いたとさ。
その後
帰宅後はすぐにシャワーを浴び布団にもぐり込んだが、全然寝付けなかった。体というよりも頭が火照っていて、全く眠くならない。それでも横になるだけで休まっているという体感を得られたのでそれなりに心地良くはあった。1日中気を張って集中を続けたのでタガが緩んでしまったのかもしれない。
【次の長旅への注意点】
- 日焼け止めを塗っておいて正解だった
- サングラスを持って行った方が良かったかも
- スマートウォッチは行動ログが取れるので便利な反面、腕を傾けた際に2/3の確率で無視されるので時間を知りたい時に不便
- だからと言って通常の腕時計と二台付けにするとダサいし、何よりもこの時期は日焼け跡が面倒なことになる。時計同士近すぎても良くないって言うしね
- 飲むゼリーは神
- クーリッシュも神
- 自転車に付けたばかりのペットボトルホルダーが大活躍
- 何度も鞄を開け閉めすると、閉める際の中身チェックに気を遣う頻度も高くなる
- 特に後半の集中を欠いた時なんかは一番厄介
- ダッシュトレーニング(ランニング)を積んでおいた為か、坂がそんなにしんどくなかった
残すは事実上、日の出をいち早く見ることのできる町のみとなった。
しばらく自転車での長旅はしたくないな。でも楽しかった!