餃子の街へ行ってから早1年が経過した。
振り返ってみるとこれまで自転車日帰り旅行と称して様々な場所にペダルを向けているが、その中でも距離の長かった旅は上記の「餃子の街編」に加えて「あついうみ編」と「東京湾一周編」がある。
これまでにも自転車の旅は楽しいよ!ということはこのブログでも何度か紹介しているが、具体的にこの三傑を比較したことはなかったので、今回は存分に比較していくことにする。
三傑の中での序列は確かに存在する。どれが一番おすすめかということを考え出すと、一方でどれが一番すすめられないかという背反する概念が浮上してくる。しかしこれらを突き詰めていくとベストとワーストは一心同体であることに気が付く。
過酷な条件を考えると確実にワーストになる一方で、その達成感は他の二地点では味わえないということを考えるとベストと取ることもできる。
この記事では条件がきつい順に振り返ってみることにする。きつい分安易におすすめはできないが、体力と精神力に自信があるならば是非ともチャレンジしてみるべきだ。
対して気軽な気持ちで挑戦したいと言う方は、
この記事を眺めることに徹して実践は控えるべきだ。
三地点とも都内から出向くと往復で200キロを超えてくるのでマジで辛いし、日帰りをするならばどの時間に出発しようとも確実に夜道を進むことになるので危険度も高まる。
そんな中で最もきつかったのが”あついうみ”だ。
検索外しで敢えてぼかしたワードを使っていたが、何を隠そう静岡県の熱海のことである。観光名所だし新幹線も通っているしで聞き馴染みのある場所ではあると思われるが、都内から自転車で行くとしんどいものがある。
ガチの都心から向かう場合は一ヶ所、多摩地方から向かうのであれば二ヶ所の峠がある。町田近辺に一点と、小田原を過ぎた辺りで一点だ。特に小田原から熱海までの道程はアップダウンが激しい上に車通りも多く体力的にも精神的にもゴリゴリ削ってくるものがあった。
もちろん、その分の達成感はある。山あり谷ありの上に、海までついてくる。海を脇目に走ったときはとても心地良かった。真逆は車がびゅんびゅん通っていたけれど、あの経験は何物にも代えがたいものがある。
そしてこの時は早朝に出発して帰りは夜になったのだけど、帰路の道中は”夜道”+”山道に案内しようとして来るグーグルマップ”のコンボがへとへとの私を襲ってきた。
多少遠回りでも夜の山道を避けたかった私はグーグルマップを無視して大通りをガンガン進んだのだけど、一回だけグーグルマップの誘いに乗ってガチの山道に入ってしまった。その道を進むと民家なのか倉庫なのかわからない建物が一軒か二軒ぽつーんとあるだけで、道路もまともに舗装されていない悪路を走らされた。暫く進むとめちゃくちゃ細い獣道のような場所を進まされかけたので慌てて引き返して大幅なタイムロスをしてしまった。
神奈川西部は山が多く、直線距離だけで考えると山を突っ切れば近道にもなるのでグーグルマップも山道を案内したがるのだけど、土地勘のない場所で獣道を走るというのはとても過酷だ。
そんなこんなで条件がワースト、達成感がベストなのは熱海であった。
残り二地点はさくっと流せる。だって過酷な山道もなければ獣道を走らされることもないのだから。
どちらを次点にするかはめちゃくちゃ悩んだけれど、条件と達成感で中間に位置するのは東京湾一周だ。
強いて言うならばフェリーの時間が決まっているので港への到着の時間によっては大幅なタイムロスが生じてしまうのだが、道は平たんでかつわかりやすいし、何かあったときにすぐ線路が側にあるので自転車を放置してさくっと帰ることもできる。(線路が傍にあると言うのは地味に熱海も次に紹介する餃子の街も同じかな。)
東京→久里浜港までは横浜の辺りを通ったり、海っぽい雰囲気の道を通ったりでわくわくするものがある。
海を渡ってからの千葉の内房周りについては中盤から後半にかけてが怒涛の工場地帯になる。同じ様な道が何十キロにも渡って続く。車通りは多いけれど歩道と車道が完全に分かれているので安心して通行することができる。とにかく北に向かって進み続けるだけのコースにはなるものの、あまりにも景色が変わらないしとてつもなく長い道のりになるので我慢強く漕ぎ続けることが全ての鍵を握る。
フクダ電子アリーナの辺りまで来るとやっと千葉の都会っぽい雰囲気を味わえるが、千葉市に入ってもそういった中心部的な部分に辿り着かないと延々と工場地帯が続くことになるのでちょっと不安にもなる。本当に千葉市なのか???という感覚に襲われてしまう。
千葉の中心街を超えると後はずっと東京寄りの千葉感のある道が続く。幕張、船橋、市川と来て江戸川区に渡っても千葉感は抜けないものの、両国辺り・・・つまり都営大江戸線を跨ぐ当たりなるとやっとこさ東京感が出てくる。
何度でも言うがこちらも200キロ程度の距離を走ることになるので平たんな道とは言えど注意が必要になる。
最後に餃子の街こと宇都宮を紹介する。
こちらも平たんな道が続くし、埼玉の北半分は新幹線の線路の下を辿り続けることになるのだがこちらは千葉の工場地帯とは異なり、延々と続く田んぼ道を走る抜けることになる。
きちんと舗装がされているし、道幅が細いけれどそんなに車が通らないし、時々大き目の通りと交差するけれど、どのポイントも見通しは良いのでそんなに困ることはない。ただ同じような田園風景を何十キロにも渡って眺め続けなければいけないというのはちょっとしんどいかもしれない。
こちらについても熱海と同じく何時に出ようとも基本的には夜間に通過する恐れが非常に高いのでちょっと不安になる。千葉の場合は基本的には大通りオンリーなので夜道についての心配はそこまでないが、こちらの埼玉の田んぼ道については街灯のある道もあるけれど、部分的に(15キロくらいだったかな?)街灯のない道も通ることになるのでとても心細い。
条件面では東京湾一周とほぼ同クラスではあるが、僅差で東京湾一周の方が難しいということにした。東京湾一周の方では街灯のない夜道に困らされることがなかったのでその点では宇都宮行きよりも安心だが、東京湾一周にはフェリーの待ち時間や乗船が含まれるので宇都宮行きの方が簡単だということにした。
体力と精神力に自信があるし自転車での200キロの長旅をしてみたい!だけれど一番簡単な地点から攻めたい!と言う方には、(自粛明けには是非とも)宇都宮行きか東京湾一周をおすすめする。この二地点の難易度は殆ど変わらない。熱海はちょっと別格だ。
個人的な今後の目標としては往復250キロの犬吠埼、往復200キロの高崎、往復150キロの三浦半島が残っている。この辺りは当然ながらご近所と呼べる範疇ではないので自粛期間が明けたら挑んでみる。