不定期な日記帳の遺構

はてなダイアリーで運用していた「不定期な日記帳」の遺構の上に成り立つ2019年3月より再始動したメインブログ

価値を見誤りそうになる試算

経済学部出身らしく、たまには経済学に関係したお話をする。商業にも関わってくる回となる。

 

単刀直入に言って将来的なものは価値が低く見積もられる。そういう傾向にあるというよりもそういうことになっている。

 

お金の貸し借りと同じで、借りた側には利子という名の債務を負い、貸す側は利息という債権を手にする。義務を抱え、権利を得る。利子や利息が発生するのは支払を後回しにするためだ。

小難しい話にはなるけれど、手元にないお金の価値は低いので、将来的に戻ってくる際にある程度のプラスがないと釣り合いが取れない。すぐに使えるという状況は非常に価値が高いのだ。

 

それと同じ理論で、前払いというのは値切る際の交渉の強いカードになりうる。即座に使用可能な資産を増やすという行為は受け手にとっては非常にありがたいものだ

 

受け手からすれば前払いは良い環境をもたらしてくれるので値引きをする必要があるし、後払いは状況の悪化に繋がるので利子が付くことになる。

 

経済や商業はこれで良い。しかしこの理論を例えば地球温暖化に当てはめたらどうなるだろうか。将来的に発生するであろう災害は相対的に価値が低くなる。当然環境問題には利子や利息という概念がないので、先のことはただ価値が低く見積もられ軽視されることになる。危機に陥った際の復旧作業費用が膨大なものであったとしても、現時点で発生していないことについてはリアルタイムで起こった場合よりも軽く見られる

 

つまり経済学や商業的な観点から眺めると、”将来起こりうる災害”は大したことがないのだ。

 

これ以上声を大きくすると政治色が強くなるのでここで控えておくが、何でもかんでも数式で当てはめられる程、経済学や商業はガチガチの数字では動いていない。マクロ経済の観点で言うと増税によって国全体の消費が増え、国民全員に富が行き渡ることになっているが、増税に伴う消費動向の冷却化までは拾いきれない

 

数字に感情を盛り込むのもどうかと思うが、決して切り捨ててはいけない部分だったりもする。価値を測る物差しは意外にもあやふやなのだ。