「岡田紅陽」で検索をかけると出て来るのが「富士山の写真」と「咥えタバコのぼやっとしたじいちゃん」である。このじいちゃんこそが岡田紅陽氏だ。
旧五千円札と新千円札に描かれる富士山の原案となる写真を収めた人物だ。
富士山を写真に収めた人物は数多くいるだろうけれど、彼の富士山にかけるスケールは桁外れだ。
大学時代に友人にカメラを借りて富士山を撮影したことに端を発し、プロのカメラマンとしての人生を歩んでいくことになるのだが、富士山の様々な情景を捉え続け、時にはヘリコプターを利用した空撮を行ったりもした。
天候が悪いときにでもお構いなしでヘリを飛ばし、危険な目に会ったことも数えきれないくらいあるそうだが、それでも富士山に魅了され続けた。
それ故に富士山の様々な顔を我々に残してくれている。
美しい富士山、迫力のある富士山、時にはグロテスクに映る富士山など、その被写体は印象を大きく変える。むしろ時の流れによって表情を変え続けるその実体を、彼はいくつもの角度から切り取ったと表現するべきだろう。
もちろん彼は富士山だけを撮り続けたわけではない。関東大震災の影響で自身のアトリエがめちゃくちゃになっているのにも関わらず、東京府お抱えの写真技師として町の被害状況をフィルムに収めている。
その他にも全国の国立公園の撮影に尽力し、パンフレットの参考写真に採用されたりもしている。
そんな彼の作品の一部を今、東京の吉祥寺で拝むことができる。
武蔵野市立吉祥寺美術館 企画展示室
『岡田紅陽 富士望景ー武蔵野から』
2020年9月22日(火)まで鑑賞することができる。
水曜日以外は開館していて、午前10時~午後7時30分までの開館となっている。
但し、公式からの注意で混雑を避ける為に18時30分までには入館して欲しいとのことである。
感染予防の観点からマスクの着用や個人情報の提供などがあるので、そちらも要協力となっている。
彼の表現する迫力に是非とも打ちのめされて頂きたい。
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