不定期な日記帳の遺構

はてなダイアリーで運用していた「不定期な日記帳」の遺構の上に成り立つ2019年3月より再始動したメインブログ

高慢と敬遠

多忙な先輩がいる。多忙というよりもキャパシティに見合わない仕事を受けざるを得なくなっていると言った方が正確だ。


その先輩は数年前、社内でも比較的穏やかな部署から激務で有名な部署へと異動した。比較的穏やかな部署も激務で有名な部署も経験したことがないので個人的にはほとんど何もわからないが、簡単に説明すると顧客からの希望を受けた営業の依頼を叶える技術部門から、顧客からの希望を直接受ける営業の部門へと異動した。

依頼を片付ける側、つまり技術部門は細分化されており、その分の人数もいるのでバタバタしている姿を見かけることはあるものの、落ち着いている様子も多々見かける。
しかし営業側は一人でこなさなくてはならず、さらに依頼内容を技術部門に投げておしまいということにはならない。技術パートに踏み込むところまで作業を進めてから最後のチェックを技術部門に渡すという部分もあるので、営業の仕事はそれなりに広範囲になる場合も多い。

今までの”何かあれば協力してやりましょう”という環境から、”責任を一人で背負う”環境に投げ込まれた先輩は年が経つにつれて仕事量も増えて行き、そして当然ながらできることもそれに比例して増えてきたので、特にここ最近は天狗になっている。
具体的に言うと技術部門への当たりが強い。


なんでこれくらいのことにこんなに時間が掛かるんだ!?

 

どいつもこいつもサボりやがって!!

 

こんな言葉が平気で出てくる。元々技術部門にいたのだから尚更なのだろう。古巣の環境を熟知していて営業部門との温度差を肌で感じているからこそ出てくる言葉だ。

それでも少し高慢なんじゃないかなと疑問を感じる。恐らく他の人もそう思っているだろう。他の営業はあまり文句を言わずに淡々と仕事を進める中、その先輩だけが不平不満を口にしながら忙しそうに仕事に当たっている。
もっとハードな仕事をこなしている人は山のようにいる。現にその先輩は休み休み仕事をしている部分があるし、その辺りには少なからず技術部門時代の名残を感じてしまう。

中休みを取らなかったり、効率的に仕事を進める人間も多くいる中で、休み休みダラダラとこだわるポイントでもないところに集中して取り組んでは時間を無駄にしている姿を見ると、その不平不満を漏らすこと自体が格好悪いと思わざるを得ない。


自分だけが忙しいと感じればきっと人は高慢になる。技術部門の人とその先輩だけの世界であればその先輩だけが多くの仕事をこなしていることになるのだろうが、他の営業の人間も合わせて考えるとその先輩が飛び抜けて大変な環境にいるとは思えない。

 

忙しいから文句の一つでも言いたいという気持ちはわからなくもないし、恐らく今の自分も似たようなことをしていた時がある。今だって気付かない内に人への当たりがきつくなっているかもしれない。

そんなことをしていると段々と人は離れていく。敬遠されるようになってしまう。

自分の姿を眺めているつもりになって、自戒の念を胸に抱く。