不定期な日記帳の遺構

はてなダイアリーで運用していた「不定期な日記帳」の遺構の上に成り立つ2019年3月より再始動したメインブログ

所有することのデメリット

ゴールデンウィークが明けて暫くしてから、手持の案件が落ち着いてきて事務作業まで完了したのでこれと言ったやるべきことがなくなってしまった。そこで弊社の所有する魔窟の掃除をした。

 

通称魔窟とは“いつ使うかわからないけれどとりあえず保管しておこう“という名目でみんながバンバン備品を放り込んでおく雑多なプレハブの倉庫で、棚に備品たちが収まり切らずに通路まで溢れ出してしまい、奥の方には簡単には立ち入れないという状況が発生してしまっていた。恐るべし魔窟。人間の所業は罪深い。

 

そこでせっかく時間があるのだし魔窟の掃除でもしてみるかということで入社6年という微妙な立場・知識を活かして倉庫を最適化してみた

 

 

まず大事になるのがコンセプト決めだ。埃を取り払うだとかデッドスペースを埋めるということは小手先の作業だけでできるし、何ならその辺にいる倉庫事情を良く知らない人でもできる。

 

だけどそうじゃない。

 

今回求めているのは通路にまで溢れている商品をあるべき場所に戻しつつ、誰が来てもさっと備品を取り出せる環境を作るというところにある。だから大刷新をしてしまうとどこに何があるのかわからない人が出てくる可能性がある。

そもそも似たようなものでもあっちにあってこっちにあってという悲惨な状態になっているレベルなので、保管場所を変えたところでなんなんだという話なのだけど、なんとなくどの辺にあるかというのはふわっとした共通認識としてあるので、何となくの置き場はあんまりいじらないことにした。特に置き場が決まっていないのに嗅覚ひとつで在り処に辿り着けるなんて不思議ね。

 

掃除に当たって大切にしたコンセプトは以下3点。

 

  • 大きいものから決める
  • 一等地”という概念を念頭に置く
  • どの備品も3分で取り出せるようにする

 

まずは大きいものを配置する。空間は限られているので、大きいものを先に埋めておかないと後から溢れてしまうが可能性が高くなる。そこで一旦倉庫を空に見立てて、手始めに大きいものの配置を考える。

 

そして下2つはそれ以外の配置について大切な考えとなる。基本的にはどんな場所に置いてあるものでも時間をかけずに取り出せるのが理想だが、頻繁に使用するものはなるべくなら入り口付近に設置しておきたいし、そうでないものは奥の方に置いておきたい。

この辺りのバランスを考えながら手前から配置していく。あとは確実に不要だったりもう使えないようなもの処分し、中身は大したことはなくても箱だけ無駄に大きいというものの箱だけ適したサイズの箱に取り換えて行けば自ずと快適な空間が確保されていく

 

 

こんな感じで掃除をしている内に、備品を抱えることの弊害について考えるようになった。在庫があることで便利になることもあるけれど、使わないものを抱え込んでしまうと物理的にものを取り出しにくくなってしまう。個人宅レベルでもものが多いと不便に思う部分はあるけれど、それが会社単位となるともっと大きな問題へと発展していく。ちょっとした備えが積もりに積もって思わぬハードルへと変貌してしまう恐れがある。

しかしある程度の空間を確保できれば別のものを置くことができるし、そういった新しい在庫が次へのステップに繋がるかもしれない。そういったチャンスは逃さないようにしなくてはならない。

 

取捨選択は難しいが、広々とした空間を保つことは大切だ。しかし間違っていけないこととして、倉庫管理は通過点であって決して目標ではないということだ。みんなが快適に動けるのであれば倉庫が手狭になっても構わないし、広々とした空間と引き換えに必要な備品を手放すようであれば最初からそんな空間は不要である。

 

何事にも当てはまることだが整理整頓は日々行いつつ、通過点を目標と勘違いしないようにする。