不定期な日記帳の遺構

はてなダイアリーで運用していた「不定期な日記帳」の遺構の上に成り立つ2019年3月より再始動したメインブログ

【後編】牛に連れられて行くところに牛に連れられずに行ってきた

前回の続き。

syaroku.hatenablog.com

 

歩くこと40分、何とか本堂に到着した。本堂では各種チケットが販売されていた。そのチケットの種類は大きく分けると

 

  • 本堂の奥のみ見れますチケット
  • 本堂の奥とその他3つのアトラクション(?)を楽しめますチケット

 

が置いてあり、前者は500円後者は1000円であった。


本堂だけ見られれば良いと言う考えが一瞬よぎったが、そう簡単に来れる場所ではないと言うもったいない精神がフル稼働したので後者をチョイスした。先に言ってしまうと後者以外の選択はなかったと思えるくらい良かった。

あまりにも良すぎたので先着10名には本堂オンリーとの差額の500円くらいなら払ってあげても構わないと言う気持ちになっている。みんな行くべきだ!


最も印象に残っているのはやはり何よりもメインである本堂の奥だ。本堂の奥には”戒壇めぐり”というスポットが待ち構えている。

ざっくり言うと清水寺の胎内巡りのような感じなのだが、趣旨は全く異なる清水寺の胎内巡りは生まれる前の体験をするというのが趣旨だったはずだが、お戒壇巡りは暗闇の中で心を落ち着けるということがテーマとなっている。


全然落ち着かなかったけどね。

 

前を歩くのが足腰の弱そうなおじいちゃんで、その前を行くのがぎゃーぎゃー騒ぐカップルであった。

ぶっちゃけると暗闇がとても苦手なので早々と駆け抜けたかったのだが、前の2組に行く手を阻まれた。(駆け抜けるような場所ではないので完全に私が間違えている。)

そもそも何も読まないままチケットだけ購入して奥へと進んだクチなのでまさか暗闇が待ち構えているとは露ほども思わなかった

当然、心を落ち着けるという趣旨も中腹にある錠前を触るなんていう前情報も何もなかった。


突然暗闇を進むことになった私は

 

そうは言っても段々目が慣れて来てちょっとは見えるようになるっしょw

 

という軽い気持ちでいたが、なーんにも見えなかった。

目を開けても瞑っても同じ景色というのを体感した。


怖くて怖くて仕方のなかった私は前を急ごうとするのだが、前が全然進まないし、何なら後ろからもどんどん迫ってくるしで視界的にもパーソナルスペース的にも精神的にも辛かった。もう暗い所には行きたくないでござる。


戒壇巡りがクライマックスであり、最大の収穫と言えるかもしれない。それぐらい強烈であった。


その後は日本忠霊殿(資料館)にて今回訪れたお寺の歴史を学び、砂でできた曼荼羅の展示を初めとする素晴らしい美術作品を目の当たりにした。そしてこの建物の入り口手前辺りに牛の像がいた。流石は牛に引かれて~という慣用句がある程だ。どうやらこの牛の像は森永乳業が寄贈したものらしい。洒落がわかっていらっしゃる。

 

 


ゴールにある山門に向かいがてら経蔵という重要文化財も訪れた。ここには輪蔵というマニ車をそのまま蔵にしたような建物があり、中の駒部分を回すことで功徳を得られるということであった。このスポットも1000円チケットで回れる場所のひとつなので、功徳云々は別にして取り敢えず回してみた。

その時だけぽっかりと観光客がいなかったので私一人で回すことになったのだが、あまりにも大きくそして重かった為一人の力ではびくともしなかった。そんな私を見かねた受付のお姉さんが一緒に回してくれたので何とか回ったが、全力を出してぴくりともしなかったのでとても驚いた。あれは是非一度押してみるべきだ。


最後に山門を訪れた。ここは入り口に位置するので序盤に通過する地点なのだが、チケットがあれば帰り際に上の階に登って周囲の景色を堪能することができる。本堂を見下ろすことができるし、反対側に回れば門前の街を一望できる。参道を歩き、本堂を回った後だとその感動はひとしおだ

 

 
 
 
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山門より

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お寺を後にした私が次に向かったのは長野駅だが、その前におやきを5つ買い求めた。駅からの道の所々におやきが売られていて、それがまたおいしそうなんだ

私の立ち寄ったお店は数あるおやき店の中でも品ぞろえがダントツであったので思わずどこでも食べられそうなあんこ以外の全ての味(りんご・かぼちゃ・野沢菜・きのこ野沢菜・なす)を1つずつ計5つ頂いた。


食べる前に温めて食べてね。


その場で食べようと思っていたのでこの”後で食べてね感”を秘めた言葉の前に戸惑ったが、ほんのり温かったので思い切って食べてみた。もっと温かくても全然行けるし何にも問題はなかったのだけど、1つだけ注文していたらもう少し温かいのが出てきたのかななんて思ってしまう。おいしかったから何の問題もないけど!

 

 


暫く歩くと駅から少し外れた方面に商店街が見えたので入ってみたら、中は大人のお店が多めであった。夜のドレスなんかのお店もちらほらあった。

そしてその中にぽつんと一軒だけ映画館があった。中までは入っていないが都内で中々見ることのできない特異な光景であった。


後は帰り際に蕎麦をすすって長野県を高速バスで後にした。

 

 


結局食べたものはアップルパイおやきお蕎麦だけだった。

それでも収穫はあった。短い時間で目的を絞って可能な限りのんびりと知らない街で過ごすことで日常にハリを出すためのユルみを作り出せたし、食欲も何となく回復したような気がする。

その証拠に今週はここ最近ではまともな食事を取っている。生きている感じがする。


ただ一つ問題なのが、今回の良すぎた経験を文章に上手く落とし込む術を持ち合わせていないという点だ。書きたいこと、読者さんに伝えたいことがいっぱいあるのに十分に書き込めていない。


文章力を身に付けよう。