※序文が茶番です。
「飛ぶ動物と言ったら、何が思い浮かぶかな」教授が話す。雑談に絡めながらも現行の研究の最重要箇所について話を繋げて来るので、常に警戒心を持っておかなければならない。研究者として常にアンテナを張り、日夜研鑽してこそ真の研究者と呼ばれるようになる。そんなことをいつも口にしている。
ラボには私と教授の二人きりで、この質問への回答の義務は私だけのものだ。いつも二~三人は在籍しているので突然の質問が飛んできても責任が上手く分散されるのだが、この場には私一人しかおらず、単独で凌ぐしかない。
「真っ先に浮かぶのは鳥類です。その他に昆虫も種類によっては飛行能力を兼ね備えています」私は解答する。つまらない答えだとは思うが、あくまでも雑談だ。無難な言葉で繋ぐ他ない。
「宇宙人の姿は軟体動物に似せて描かれることが多い。俗説の域は出ないが、彼らが宇宙から飛来したという話もある。それと同時に彼らにも飛行能力があったのではないかとも言われている」
そこまで言うと教授はどこからか中身の見えないビニール製の袋を取り出し、その中身を教授のデスクの上にあるホーロー製のバットに無造作に置き出した。
「この生物も退化してはいるだろうが本来的に飛行能力があるのではなかろうか」
バットの中の物体はぬめっとしていて表面は掴みどころがなさそうなくらいに柔らかく見える。目玉は大きく、上なのか下なのかはわからないが先端は三角形を描いている。
「君は飛ぶことができると思うか」教授が一瞥する。
「烏賊が・・・でしょうか?」
敢えて漢字にしたが、この”赤文字の部分をひらがなにした文”が入った記事は検索で撥ねられる傾向にある。それはキュレーションサイトを検索結果から除外する為だ。
キュレーションサイトとは有名人の個人情報などにフォーカスを当てたサイトやブログのことで、気になった人物を調べると高確率でヒットする。
公式ページやウィキペディア以外で検索上位に来るサイトは多くがこのキュレーションサイトに当たる。
このサイトは情報のボリュームが少なかったり、信用性の低い情報が載せられていることがちょくちょくあるので何かと敬遠されガチである。その人物の生い立ちがどのようなものなのかを知りたいだけなのにやたらともったいぶる書き出しなのにも関わらず、「よくわかりませんでした!」の一言で締められている場合も多い。時間返せってやつだ。
そしてその末尾に「烏賊がでしたでしょうか(全てひらがな)」の文字列が挿入されるケースが多い。他のサイトではまず使われない文なのでこの文字を検索候補から外すだけで情報の純度が高まる。
検索する際には気を付けよう!と思いつつも、私も似たようなことをやらかしている。
それが今の私のnoteの使用方法だ。
気になる人物や物事を調べ、それを”ですます調”で記す。
まんまキュレーションサイトと同じ手法やんけ!
自習用にと思って始めたは良いものの、社会的に必要のないものを生み出していたなんて・・・。
そんなわけでnoteの運用にもう少し工夫を凝らして検索の純度を汚さないように心がける。オリジナリティを出していこう。