大学を卒業して6年が経つ。通っていた大学の付近にはグルメ街や本屋街があった。
今になってそういった環境に対しての価値を痛感するのだけど、当時はそういったものへの感度がとても低かった。
確かにお金はなかった。だがお金がなくても何日かにいっぺんはグルメ街を堪能することができたし、本屋街だって眺めているだけでも十分楽しかったはずだ。
そういった価値のあるものをほとんど見過ごし、あっという間の4年間を通り過ぎたのが私の大学生活の全てだ。
今だからこそ懐事情にもある程度の余裕があり、それ故にあれこれと見渡すことのできる視点を持つことができているのかもしれないけれど、それにしても本当にもったいないことをしていた。
当時は
本=文庫本 or たまに新書
という感覚であったが、ハードカバーにこそ良い本があったりするし、学術的な本は文庫の形を取っていないことが多い。そういった意味で本についての興味をもっと深く持つべきであった。
グルメについても、前述の通り何日かにいっぺんはちょっと良いお店に入ることができたし、なんなら学食並に安い名店だってゴロゴロあったはずなのに、そういった場所を探す一切の努力を放棄していた。
アンテナの張り方の下手さが際立つ。
過去を悔やんでも仕方がないので、あれこれ言うつもりはない。しかしこの先に活かしていくことはできる。自身が囲まれている環境をもう一度見渡してみよう。視野に入っていないだけで驚く程の価値を持つものがあるかもしれないし、ちょっと深堀してみるだけで真価を発揮するものが身近に存在する可能性だって十二分にある。
暗中模索でも良いので、よくわからないものにも恐れずどんどん手を出していくべきだ。
同じ轍は踏まない。