ポケモン風に言うと『思考停止』という状態異常がある。
そんな風に思っていた。
先日、一回り上の先輩の仕事をいくつか下の後輩と共に手伝う機会があった。
配慮が行き届いている側の先輩のことなので、その指示に対してあれこれと余計な工夫を考えず、言われたことを最速でこなしていた。そんな中で一点だけひっかかる部分があった。人によっては「これでは未完成だからもう少し付け加えて欲しい」と言う人もいるけれど、また別の人に言わせてみれば「これが完成形なのだから余計なものは一切付けないで欲しい」という場合もある。
このままで良いのか、それとも工夫をする必要があるのか。一瞬立ち止まったが、その先輩の指示に間違いはないという確信に行き当たり、そのままで準備をすることにした。しかしその直後に側にいた後輩が即座に先輩に確認を取り、結局プラスアルファの工程を踏むことになった。
目の前にいくつもの選択肢が広がっているか、もしくは進むべき道がひとつも見つからない状況に置かれて、呆然と立ち尽くしてしまうことを思考停止と呼ぶのだと思っていた。
自身にも瞬間的にそういうことが発生することはあるし、周囲の人の中には一瞬とは呼べない程長い時間立ち止まってしまうような人もいる。
そのように思考停止になるのはみっともないので、物事の決断は可能な限り最速を目指すようにしていた。立ち止まらず、起こりうる可能性を最大限考慮して、速やかに行動や選択に移っていくということをモットーにしていたし、また美徳とも捉えていた。
しかし、それはただ決断が速いか遅いかというだけのことであって、思考停止とはまた別の次元に属するものであったのだ。
もちろん考えるのが遅いと決断への到達も遅くなるし、あまりにも長い時間決断できなければそれは思考停止とほとんど同じようなことになってしまう。それでも材料の調達とその調合のスピードが多少遅いくらいでは思考停止とは呼べないどころか、決断を急ぎ過ぎることで思考停止に陥ってしまうケースもある。それが上記の青文字の挿話だ。
今回は可能性を吟味できず、結果として気の利く後輩にフォローされることになった。
以前記事でも触れさせてもらった非常に優秀な後輩だ。
彼女のモチベーションを削ぐことだけはしないようにこれからも精いっぱい面倒を(見られつ)見ていく。
(in2018年7月末の記事)
2年前の時点でこんなことを書いている。めちゃくちゃ面倒を見られることになったよね。
先を急ぐことに囚われて考えることを止めた瞬間、思考停止状態になる。俯瞰して考えてみると、それは思考停止という状態異常ではなく、単に人に劣る性能なのではないかという点に行き着く。思考停止は点というよりは線のものなのだ。
だから継続的に気を付けておかないと、いつ何時物事を受けたそのままで流してしまうかわからない。一端噛み砕いてみることで見えて来る景色もある。肝に銘じておこう。
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