不定期な日記帳の遺構

はてなダイアリーで運用していた「不定期な日記帳」の遺構の上に成り立つ2019年3月より再始動したメインブログ

歌舞伎はいいぞ

人生で2回だけ歌舞伎を見に行ったことがある。

 

 

実績解除をしたのは大学3年生の時。つまり7年近く前。

歌舞伎好きの友人のすすめで一緒に観に行ったのがつい最近までのラスト歌舞伎であった。その歌舞伎がどんな演目だったのか殆ど覚えていないし、その魅力さえ今は遠い彼方だ。

 

 

 

しかし先日久しぶりに歌舞伎の鑑賞を楽しんできた。

 

 

 

きっかけは古い時代の芸能誌を調べていたことに始まる。

ざっくり言うと今でこそメディアなりプロデュース団体は様々あるけれど、昔はそういったものをまとめるものがなく、各自が散り散りに芝居活動をしていた。しかしある時松竹が頭角を現して芸能界をまとめるようになりつつ、東宝も台頭してきて様々な分野で松竹と東宝が激突することになる。その戦いの中で映画なりテレビなり古典以外の舞台が発達することになるのだが、何にせよ役者の中心にあったのが何を隠そう歌舞伎なのである。

 

 

まともな役者の調達先=歌舞伎界とされていたくらい歌舞伎の影響力は凄まじいものであった。そして今でこそ様々な入り口が芸能界にはあるものの、歌舞伎界から芸能界に流入するパターンはいつの時代でも散見される

ここ最近で如実なのは『半沢直樹』だろう。下剋上のオンパレード、いわゆる権力争いの世界は歌舞伎界の役者なしには成立しなかった。

 

 

2010年~2013年の歌舞伎座の立て直しの際に公演ができなかったことで歌舞伎座は赤字転落に陥り、それに伴って多くの株が投資家の手から市場に流された。その結果、歌舞伎座の株価は一時的に下がったものの根強い歌舞伎ファンたちが今がチャンスと市場に流れ出た株を買い集めたことで再び歌舞伎座の株価が上昇したとのことだ。

 

 

古くは江戸時代に流行ったものが現代でもしっかり残っているということはそれだけ時代が認めたものであるという証明になるし、そんなものが面白くないわけがない。

他の古典芸能は補助金ありきで存続しているとのことであるが、歌舞伎は独自に売り上げを獲得していて商売としてもかなり固い地盤があるとのことである。

 

 

何度でも言うが、

 

 

 

そんなコンテンツが面白くないわけがない。

 

 

 

そんなコンテンツの真髄に触れてみようということで歌舞伎に興味を持ち、歌舞伎関連の書籍を読み漁る内にその魅力にどんどん取り込まれて行った。

 

 

そして先日、ついに8年ぶり2度目の歌舞伎鑑賞をしてきたのである。

 

 

 

www.kabuki-bito.jp

 

 

私が見て来たのは第四部の『義経千本桜<川連法眼館>』だ。『かわつらほうげんやかた』と読む。

この辺りは予習済みだ。というよりも予習なしではこんな漢字を読めるわけがない。内容に関しても前知識がないとフルで楽しむことができない。しかしそうった諸々を備えていることで舞台上の行動や台詞の妙が理解できるようになり、その魅力を知ることができる。

 

 

王道のストーリーと史実に裏付けられたエピソードのひとつひとつが良い。今回はそのエピソードのひとつを目撃して来た。

古(いにしえ)の創作物をリアルで見ることができるというのは何とも不思議で素敵なことだ。

 

 

価格については松竹梅で言うところの梅の席で3,000円竹で5,000円松で8,000円という設定になっている。公演ごとに異なる可能性があるので一概には言えないが、梅の3,000円ならば高頻度でない限りは気軽に行くことができるし、物の試しに行くのにもまぁまぁ手ごろな価格である。

 

 

3,000円もあれば良い食事ができるので歌舞伎と天秤にかけてお食事を取る方はご自由にどーぞ!と言った感じだ。人によって合う合わないがあるからね。そもそも舞台物に抵抗があるという人もいらっしゃるし。

 

 

今後も歌舞伎の研究をしてどんどんのめり込んでいく一方で、人生初の「沼」に嵌りかけているので破産しないように気を付ける。1席3,000円というのは決して安価とは言えないしね。

 

 

 

 

 

 

もちろんあのクオリティの舞台を3,000円で見ることができると言うことに対して安価ではないと言っているのではない。3,000円の消費が絶対的にどうこうという話だ。

 

 

仮に毎週1回歌舞伎の公演に足を運んだら最低でも1ヶ月で12,000円。12ヶ月で144,000円がかかってくることになる。ここに交通費が乗っかって来ることになるのだから、それなりの出費になってしまうのは不可避だ。

 

 

それでも年間15万程度で趣味がひとつ出来るというのはそう悪くない話なのではないだろうか

 

 

何にせよ、今後は歌舞伎の経験値を積んでいく。

 

 

 

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