30年間、泳ぐことができなかった。
この記事を書いている時、私は本気で”泳げる側の人間”だと思い込んでいた。
しかし、犬かきで25メートル泳げるというのは泳げるとは言わない。たまたま進めたと言うだけのものだ。
思えば幼少期から自分は泳ぎについて”できる側”だと思い続けていた節がある。
幼少期
スイミングスクールに通っていた。最初は水に顔をつけることすらままならなかったが、徐々に水に慣れるようになっていった。同い年で既に泳いでいる子たちは
きっと特殊な訓練を受けているのだろう
と他所の世界のように感じていて、顔を水につけられるだけで自分は優位に立っていると思い込んでいた。
小学校低学年
水中に潜れない子が結構いた。その点、私はずっと恵まれていると感じていた。それだけで満足してた。
小学校高学年~中学生
段々と泳げる子が増えてきた。水中に潜れるだけで優位に立てるなんていうことはなくなっていた。
苦し紛れに水中で手足をばたつかせたところ、少しずつ進むようになっていった。そして気が付けば25メートルをぜぇぜぇはぁはぁ言いながらも何とか進めるようになっていた。これで私も泳げる側に立つことができたと誇れるまでになっていた。
ちなみになぜか背泳ぎはできたので、表裏ともに泳げるということでかなり自信を持っていた。もちろん、クロールも平泳ぎもできなかった。
それからしばらく泳ぐ機会がなかった。というよりもその機会から逃げ続けてきた。
30歳
「プールでのトレーニングは関節への負担がかかりにくい」という情報を以前より耳にしていたので、試しにプールに出掛けてみることにした。ついでに自身が本当に泳げるかどうかを確認もすることにした。
そして上記の記事に行き着く。
通うごとに水中での動き方に慣れて来て、クロールも平泳ぎも自力で会得した・・・と勘違いできるまでになった。もちろん、その時は本気でそのように思っていた。
しかしどうやっても
自分の泳ぎは他の人と比べて遅い
ということに気が付くことになる。もしかすると何かが間違っているのではないか。そんな疑問が頭をよぎる。
しかし幸いなことに今の時代は動画サイトでいくらでも人の泳ぎを見ることができる。いざ調べてみるとご丁寧なことに泳ぎ方を詳しく解説している動画作品が散見された。プロの泳ぎから泳ぎ方を盗もうとしていたら、都合良く泳ぎのいろはを教えてくれるというのだ。こんなに嬉しいことはない。
すると、これまでの我流の泳ぎはどれも間違ったものだったということに気が付いた。フォームは似ているものの、手を出すタイミングや足の動かし方が異なるものであった。
泳ぎ方講座の動画作品から教わったことを頭に叩き込みつつ、モニターの前での動作を伴うイメージトレーニングを経て、プールに挑んでみたところ、最初こそモーションがぶれぶれになってしまったものの、やっている内に動画と同じように動けるようになってきた。
こうして遂に完全に泳げる側に立てるようになった。
今では200メートルくらいは泳ぐことができる。ここまで来れば仮にフォームが間違っていたとしても、文句なしで泳げる側にいると言い切っても構わないだろう。
とは言いつつもまた泳いでいる内にあれこれと課題が出て来て「あの頃の私は”泳げる”という錯覚に陥っていた」なんて言い出す日が来るかもしれない。
日々研鑽だ。
エバニュー コースロープ 6025G EHB014
こちらをクリックするとAmazonのリンクに飛びます。